No Life No Lee Min Ho イ・ミンホ

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とめられぬ想い 11(チェ・ヨンの笑み)



宣仁殿の扉を副隊長のチュンソクが開け
チェ・ヨンが中へと進む

テマン トクマン トルベら
二十数名の迂達赤がすでに集まっており
入ってきたチェ・ヨンに姿勢を正し
一斉に頭を下げる

先ほどまでの
沈んだり浮いたり拗ねたりと
まるで七変化のように
くるくる変わっていた
チェ・ヨンの表情は今はすっかりなく
いつも以上に威厳あふれる
迂達赤隊長然としている

それを見たチュンソクは
何かおかしさがこみ上げ
俺は いや俺だけは
隊長の本当の顔を知っていると
笑いを堪えるのに必死だった

それに気づいたチェ・ヨンが
チュンソクにちらりと
厳しい視線を遣ると

またお前か
だらしないぞ  気を引き締めろ
と注意した


イエ


と条件反射で背筋を伸ばし
そう返事をするチュンソクだったが


これはいいものを見させていただいた
これからの日々が実に楽しみだ
今までは針の筵のような日々で
あったからな  と

思いつつ  
これまでにはなかった
チェ・ヨンに対する温かい気持ちが
心に湧き出でている



王はチェ・ヨンが宣仁殿へ
入ってきた時からの
一部始終に注目していた

テジャン…
今朝会った時から何かいつもと
違う雰囲気を纏っている

あの冷酷で
人を人と見ていないような

人への関心など
これっぽちもないというような

そんな表情ではない気がしてならぬ

むしろ人間味溢れるというか
そのような気さえするが…

私に対する態度も心なしか
話す気持ちがあるというか
聞く耳をもってくれている
そんな気がする

王はその理由について
まだ薄ぼんやりとしか
分かっていなかったが
それよりも何より
自分の目をみて話してくれる
チェ・ヨンの態度が嬉しかった

だからこそ 先ほど会ったばかりなのに
すぐに迂達赤を招集し
作戦会議を口実に
チェ・ヨンを呼びにやった


このような状況であるなら
半月も戦いに出すのはやめようか…

状況が厳しくなっているにも関わらず
そんなことを考えてしまう王だった

自分にいつまでも心を開かず
それどころか完全に拒絶する
一番の臣下にしたい
迂達赤隊長 チェ・ヨン

それがとても辛く
忠誠心を再び試してもみたく...

そんな気持ちが
戦に出よ
という言葉となっていたのも
偽らざる気持ちであったから...




王様 作戦会議の前に
一つお願いがございます

チェ・ヨンが王をまっすぐな目で見つめ言う

そのような視線で見られたことが
これまでなかった王は
チェ・ヨンの
黒く深く澄んだ目の力に圧倒され
つい視線を逸らしてしまった


なんだ 言うてみよ



この私にお願いとな… 
それも私をしっかりと見つめて…
嬉しさと驚きを隠しながら王が言う



明日我々は戦いに出向きますが
その前に決起の宴を開きたいのです



王は驚いた
あのチェ・ヨンが宴?
堅物で金のかかるようなことに
一切興味のないあのテジャンが?

これまでも数々の労をねぎらい
宴を催したいと言ってきたが
テジャンは断り続けてきた


それがどうして突然今晩なのだ?


大げさな宴でなくてよいのです
王様と王妃様に改めて忠誠を誓う意味で
我々迂達赤と医仙がご挨拶さえできれば…


なに?


王妃と医仙?


女人を宴に入れるのか?
それもこの高麗で最も位の高い二人を?


はい
だめでしょうか


チェ・ヨンが冷たい目ではなく
温かい笑みを添えた瞳で
そして請うような眼差しで
きっぱりと願い出ている
そこには心なしか
憂もあるように見えた


だめではないが…


王妃はこのような宴に出てくれるだろうか
この方も決して私と目を合わせてくれぬ
いつも何かに怒りを抱えているような
その目で前だけを見ている王妃が…

王は不仲と言われ
そこから何の進展もない王妃が
このような宴に出席してくれるかが
心配でならなかった

拒絶されたら...
立ち直れぬ
だから 敢えて何も行動を起こして
こなかった...


その心を見透かしたようにチェ・ヨンが言う


王妃様なら大丈夫です
医仙が先ほど治療に伺っていましたが
お二人はそれは仲が良く
まるで姉妹のようでした

ですから医仙が宴に出れば
王妃様も喜んでいらっしゃるでしょう

某からお二人にお願いしますゆえ
許可をいただけますでしょうか


迂達赤もあまりにも急な展開に
驚くと同時に
酒や馳走が戦いの前にたらふく頂ける
やもしれぬと思い浮き足立ち
身を乗り出して聞いている


その様子にチェ・ヨンは 


こほん と
咳払いを一つして場を正し再び王を見た

よかろう
では お二人にはそなたから伝えてくれ


今日は戦いの前の宴だ
派手にはできぬが
馳走と幾ばくかの酒を用意しよう
皆明日からの戦いに備え
英気を養ってくれ


そう王が言うと
迂達赤は思いもしなかった展開が
いとも簡単に決まり
訝しい気持ちを持ちながらも

美しい王妃と医仙を前にして
酒と馳走を味わえるとあって
声を挙げて小躍りする始末


お前たち!


と後ろを振り返り制するチェ・ヨン

しかしその顔には僅かに笑みが漂っており
その表情にまた迂達赤が驚いた


あわててチュソクが
迂達赤!全員こちらを向け!!
とチェ・ヨンとは反対の側に注意を向ける


だめだだめだ 俺だけの楽しみを
こんなにすぐにこのもの達に
簡単に分からせるわけにはいかない
あの表情はまだ俺だけのものだからな


そう焦りながら内心思い
これはまた今晩が楽しみだ
とどうしても表情が和らいでしまう
チュソク


チェ・ヨンはいきなり
反対を向かせたチュソクに

どうしたのだ?

という表情を遣りながらも


頬を上げて笑われている?


あの…あの…テジャンが
王の前で…微笑まれている!


それもだめだと
チュソクがチェ・ヨンに
目で合図を送ると

それに気づいたチェ・ヨンは
不味いという顔を一瞬しながら下を向き
表情を整えてから王に向かい


では作戦についてご説明しましょう


と何事もなかったかのように
戦場の見取り図を広げた


その顔色は土色だったこれまでと
明らかに違い
頬に紅が指すとでも言おうか
生気がみなぎり
美しい女人をも遥かに超える
神々しさすらも纏った
艶やかな顔つき...

そのものであった







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6 Comments

yukiukiyon  

6. Re:やっと

>みぃたさん

ヨンの笑顔ドラマではなかなかないので
キュンキュンしますよね。
あーあのドラマは多分
ヨンの表情で成り立ってるのかな
と思うくらい

ウダルチ最高

つぎ、やばいですよ。
あ~~(>_<)

2016/02/08 (Mon) 22:20 | EDIT | REPLY |   

みぃた  

5. やっと

アップされてからずっと読みたかったのですがなかなか1人で落ち着ける時間が出来ずに気づけばこんな時間に…(;ω;)

けっこうウダルチメンバー好きなんですよね♪
ヨンの微笑みは普段無愛想な分、ちょっとでも笑うとキュンキュンしちゃいますょね♡

続きもさっそく読ませていただきます!

2016/02/08 (Mon) 22:18 | EDIT | REPLY |   

yukiukiyon  

4. Re:ヨンの笑みの描写

>ajuさん

もちろんです!
急にヨンが宴って言ったので
わたしも焦りましたが(・・;)
酒や馳走って当時、一体どんなものが?(・・;)

その前に宴にでるネゴで
まずはウンスとついに
ごたいめ~~ん!ですね(>_<)

さて、どうなることやら?
続きは夜?定例の深夜??w

2016/02/08 (Mon) 16:42 | EDIT | REPLY |   

aju  

3. ヨンの笑みの描写

素晴らしい~♪なんだか、ヨンの笑みが想像できるー!
ちょっと片頬が僅かに上がり気味のヨンの笑み♪
いいなあ~(*^^*)
この戦場に出る前の宴の様子は見られるのでしょうか??
見たい~♪q(^-^q)気になる!

2016/02/08 (Mon) 16:30 | EDIT | REPLY |   

yukiukiyon  

2. Re:嵐の前の静けさ??

>marumomoさん

気がついたら
回を追うごとに長文になってしまい
申し訳ない...

2回に分けるのもあれだし...

早く先に進みたくて
長文アップになっちゃいました(・・;)

倭寇の残党がやらかさないように
はやく退治に行かねばw

チュンソクに続き
トクマンも笑いパートで
働いてもらうかもw

またお付き合いいただけると
嬉しいです♪
コメありがとうございます♪♪♪

2016/02/08 (Mon) 12:24 | EDIT | REPLY |   

marumomo  

1. 嵐の前の静けさ??

チェヨンのちょこっと笑顔好きです。
ちょっと笑って、すぐにもとの精悍な顔に戻る所いいんですよねー(^o^)

王様もチェヨンの真っ直ぐな瞳で見られたら・・・

目力、強しです\(//∇//)\

チュンソクがいい味をだしてますね‼︎
その気持ちわかるー

一波乱ありそうな予感(°_°)

2016/02/08 (Mon) 11:14 | EDIT | REPLY |   

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