No Life No Lee Min Ho イ・ミンホ

イ・ミンホ Movie・FF・Photo

新なる戦い18 ーThis Loveに寄せたチェ・ヨンの本音ー

 

髪飾りの店に

ウンスをぐいぐい引っ張って行き

のれんをくぐろうとした時…

 

 

あの音が聞こえてきた

 

 

その音色

その声を聞くと

 

 

自然に…

 

瞬間に…

 

 

 

…っっはあああっっ…

 

という

 

長い

長い

吐息が

 

思わず漏れてしまうような

 

そして涙もあふれてきてしまうような

 

そのようなあの音色

 

 

 

どうしてだ?

どうしてここで?

 

どうして高麗で??

 

 

この音色はどいつで聞いたもの…

そう…英語の…歌だ

 

 

女性の…

 

 

すごく透明感あふれる

それでいて

何か切ない…

 

 

 

 

チェ・ヨンは

それまで

 

奏でられる音といったら

 

夜店のお囃子のような音

出たくもない宴で奏でられる音

 

だいたい

そのようなものしか

聞いたことがなかった

 

 

 

だが

どいつに行ったら

 

 

いろんな音があふれていて

もう何が何やら

音の中に自身が埋もれている

 

そのような感じ

 

 

 

それに引き換え

高麗にそのような音はない

 

あるとすれば

 

馬が駆けるひづめの音

物売りの声

 

人ががやがやと行き交う音

 

武士ががちゃがちゃと

剣の音をさせながら勇ましく歩く音

 

役人がなにやら自分のことだけを考え

ぼそぼそと言いながら歩く音

 

 

まあそれなりに物音や

人が動く音はあるが…

 

このような透明感のある声は

 

そしていろんな音が混ざり

一つになったような音は

 

 

ないな…

 

 

あとは

鳥がさえずる声か

俺が大好きな…

 

 

チチチチチ…

チュチュチュチュ…

 

チュンチュンチュンチュン…

 

 

朝靄が立ちこめる中で聞く

あの鳥の鳴き声は

本当によい…

 

 

 

何やら…

その鳥の鳴き声…

 

 

 

 

おはよう ウンス

 

おはよう ヨン…

 

そう言いながら

ウンスに口づけを一つする

俺…

 

 

朝飯は?

 

ん~ごめん…

まだよ

 

 

そうか…

 

では食いに行くか?

 

 

そうね

それもいいわね

行きましょうか…

 

そう甘えながら

腕を巻き付けてくる

ウンス…

 

 

そんな風に

言っているように聴こえる…

 

 

 

 

 

チェ・ヨン…

 

ヨンも

妄想をするのか

 

このような愛の妄想を…

 

 

 

 

 

あ…

 

いかんいかん…

 

そうだ

そうではなかった

 

 

そう

この音色

 

 

どうしてだ?

どうしてここで?

 

このような?

 

 

 

そう思い

思わず立ち尽くす

チェ・ヨン

 

 

耳をそばだてると

やはり…

確かに聴こえる

 

 

♫♩ ♡  ♫♩ ♡  ♫♩♡   ♫♩♡

This love, this love, this love, this love…

 

 

 

そのように聴こえる

これは俺の

幻聴だろうか…

 

 

 

テマン!

 

は…は…はいっ

 

急にテジャンに振られて

思わず口ごもる

テマン

 

 

お前

何か聴こえるか?

音色が

 

 

いえ?

何も聴こえませぬが

 

 

そうか…

聴こえぬのか…

 

 

 

ではジンスは?

 

何やら目を細めながら

 

…テジャンの息遣いだけ…

俺に聴こえるのは…

 

 

そう言って

うっとりするような目を

チェ・ヨンに寄せる

 

 

ああ…

こいつに聞いた俺が馬鹿だった

 

失敗した

そういう顔をするチェ・ヨン

 

 

 

では

ミソンとヘジョンは?

 

 

…なんとなく…

そう言われれば…

 

女人の声のような…

そのような

 

囁きのような声が

節をつけながら…

 

そう二人は顔を見合わせながら

そう言う

 

 

やはり…聴こえるのか…

女人には…

 

 

 

そう言い

ふと手を握ったままの

ウンスを見つめる

 

 

俺は…

 

どうしてウンスに

先に聞かなかったのか…

 

 

この音色聴こえるか?

…と

 

 

 

そして少しどきっとした

ちょっと痛いというか

なんというか

 

いけないことをしていた自分を

そのことを言いたくなくて

隠してしまうような

 

何も想っていない者には

簡単に聞けるが

 

このように

ウンスのような

 

自分の想い人には少し…

聞けぬというか…

 

 

さっきから

どうしたの?

 

そういう瞳で俺を見上げるウンス…

 

何か私に黙っていることない?

 

そのような少し咎めるような

表情をわずかに見せるウンス

 

 

 

あ…

 

ああ…

 

思わず

一瞬

言い淀んだ俺だったが

 

 

 

こう言った

 

 

 

少し前に聴いた音色と

似たような音がしたような気がして…

 

 

♫♩ ♡  ♫♩ ♡  ♫♩♡   ♫♩♡

This love, this love, this love, this love…

 

 

 

また聴こえてくる

 

ずきっと胸が

少し胸が痛む

 

 

そう…聞いた…あの時

ずっとずっと

ずっと…

 

繰り返し

繰り返し

 

 

 

 

 

 

この歌…いいでしょう?

愛の歌よ

まあちょっと

別れちゃった人の歌というか…

 

そこはヨンとは関係ないわね

全然

別れるわけないもの

ウンスとは…

 

でもこのイントロ…というか

出だしとか途中のサビというか

盛り上がるところ

 

この雄大なライン川と街並みに

すごく合ってない?

 

ウンスとこの先愛を重ねたら

 

いつかこんなところに

二人で来れたら…

 

いいわよね…

 

 

 

 

 

 

 

そう…

 

そんな風に言っていた

いや

実際には言っていないが

 

ライン川をじっと見つめながら

 

そのように

俺に話しかけている…

 

そのように

俺は感じていた

 

その後ろで同じくライン川を

見つめながら

 

 

覚えている

俺は…

はっきりとこの胸に

この瞳に

 

 

 

あの見たこともないような…

でも少し

高麗とも似ているような

 

 

細かい流れを山河から集め

雄大に流れる運河

 

そしてその脇の

 

まるで一面に広がる

草原のような緑と

 

高い木立が続く高麗と同じ

少し赤い土がむき出しの

まっすぐな道

 

そうだ

 

黄色い花…

小菊ではないが

 

黄色い花も咲いていたな

まだ寒いというのに

 

 

 

 

そして…

 

ディス・ラブ

…this love

 

この愛

 

と言っておられたな

この愛…

 

この愛

 

ウンスとの愛…

 

 

俺は今本当に幸せだ

 

そのようなとびきりの幸せにいる今

 

 

今…この…

 

あの音色と

似たような音が聴けて

 

うれしい…

 

本当に…

 

 

 

 

そのように思っていると

ウンスが

 

 

あ…これ…

 

そうそう

これ…

 

 

Taylor Swiftじゃない?

すごく声が似てるけど…

 

 

なぜ?

ここで?

高麗で?

誰が?

 

 

俺と同じような疑問を言葉にする

ウンス

 

んんん…

 

でもこの曲は

ちょっと知らないな…

私割と好きなほうなんだけど…

 

 

 

そうThis Loveは

2014年の歌と言っていたから…

 

 

ウンスは…

まだ…知らないのか

 

 

なんかいい曲ね

最近音楽聴いてなかったから

 

すごく新鮮…

そして

癒される

 

 

私…昔…ずっと

音楽漬けだったから

 

 

病院に行く時も

病院でも…

 

 

かなり自分の趣味に突っ走ってるって

 

スタッフからは

もう変えましょうよ

この曲…

 

なんて言われたわよね…

 

 

もちろん家でも一人…

 

爆音で聞いてたな

重低音で

ウーハーとかも買っちゃって

 

たまにうるさいって

下から天井つつかれたこともあった…

 

 

 

ああ…なんかいい感じ

 

ここ高麗にはないもんね

こんな音楽

 

 

ヘッドホン…

BOSEの

 

青いバックの中に入ってるけど

 

自分の世界に閉じこもることが

できるヘッドホン…

 

あるけど…

 

 

スマホもう充電切れちゃって

聞けないし

充電さえできれば音楽聴けるのに

 

 

 

ヨンと一緒に聴きていみたいな

いろんな曲…

私の好きな曲…

 

 

そうそう

ヘッドフォンの左右を

ヨンと私の耳に一個ずつつけて

寄りかかりながら聴くの

 

ちょっと少女趣味すぎるかな?

 

ははは

 

 

でもヨン

そういうのいいと思わない?

 

 

ウンスの呟きとも

ヨンに話しかけているとも

どちらにも取れるような

そのようなウンスの話を

 

 

ヨンは聞いていた

 

あの

 

This Loveの旋律…

 

歌声とともに

 

 

 

 

 

This Love…

 

思わずつぶやく

 

 

え?ヨン…

英語の発音…

 

すごく綺麗

素敵

 

それに

 

 

この愛?

 

 

すごい!ヨン‼︎

 

すごすぎる

本当にどうしたの?

 

なぜ英語が分かるの?

 

 

ソウルに来た時

聞いたの?

 

確かに医療の展示会だったから

ドイツ語というか

英語というか

 

いろんな言葉があふれてたし

会場に音楽も流れてたけど…

 

 

 

そうそう

ドイツってね

結構医療では先進国でね…

 

 

鎮痛剤

 

ヨンに上げたでしょう?

前に

ほら!

小瓶にいれた薬

 

 

 

ヨンたら…

あれに黄色い小菊入れてたわよね

 

 

んんんっ

 

大きな喉仏を動かしながら

思わず咳払いをして頬を染める

チェ・ヨン

 

 

 

ちょっと話それるけど…

ごめん…

私びっくりしたの

 

 

ヨンがあんなに花の似合う男だなんて

想わなかったから

想像を絶するような

 

 

一瞬はっとしちゃって…

 

もう笑いでごまかすしかなかったわよね

あの時は…

 

 

ホントは

ヨンを笑わせたくて

 

思わず小菊をあなたの耳に

刺したんだけど

 

あの黄色い小菊耳に刺したヨン

マジで

いやほんと…

 

きれいな可愛い女子

顔負けだったわよ

 

いや完全に

それ以上!

 

めちゃくちゃ

それ以上いってた!!

 

 

もう見て本当にびっくりしたもの

 

男なのにどうやったら

こんなに似合うのって

 

本当にびっくりして

ありえないって想って

 

私…実はホントは

ドキドキしちゃって

あのとき…

 

 

笑ったのは

お腹抱えて大笑いしたのは

 

確かに

あんまり似合いすぎて

びっくりしたからだけど

 

本当はそんな気持ち隠したかったのね私

 

チェ・ヨンに

ドキッとした気持ち

 

ドキドキしてる気持ち

知られないように

 

 

 

だから…

あのとき

言ったの

 

私と一緒に天界へ行こって

 

そう言ったでしょ?

私…

 

 

あれ…

私の初告白ね

ヨンへの…

今思えば…

 

 

ヨンは気が付いてないでしょうけど

好きだったのよ

 

あの前から

私ずっと

 

あなたをソウルで一目見たときから

 

なんかどっかで見たことがある

目してるなって…

 

その瞳に釘付けで

まあ…イチコロって

やつかしら?

 

 

だからあなたと一緒に

天界へ行って

こんな生死懸けるような辛い生活から

あなたを解放させてあげたかった…

 

すぐに

その時すぐに

 

 

そう昔を想いだしながら

言うウンス

 

 

 

思わずそのような

また知らなかった

ウンスの想いを聞けて

 

嬉しいやら

恥ずかしいやら…

 

のチェ・ヨン

 

 

 

告白…

 

そうか…

 

 

俺よりウンスが先にしていたのだな

確かに

 

だから俺…

 

ウンスと天界へ行きたいと

そう

王様に言ったのか

 

潜在的に頭に

その言葉がこびりついていて

 

そう想い

ウンスのその遠くを見るような瞳に

一つ軽いキスをするチェ・ヨン

 

 

 

その口づけで

 

はっとそうだ!と

我に返るウンス

 

 

 

そうそう

さっきの続きだけれどね

 

 

その鎮痛剤

あなたにあげた鎮痛剤…

 

アスピリンって

言うんだけど

 

 

あれって

ドイツの

大きな薬品会社に勤めていた

フェリックス・ホフマン博士って

いう偉い人がね

 

お父さんの辛い痛みを救うために

29歳…

そうヨンと同じくらいの歳にね

開発したの

 

世の中に生み出したのよ

百十数年以上も前に

あのアスピリンを

 

そんな国なの

ドイツって

 

 

それにドイツはね…

 

 

そういろんなドイツの話を

始めようとするウンスの唇に

 

 

自分の人差指を一本立てて

 

 

 

しぃっっっ……

 

 

 

そう優しく言うチェ・ヨン

 

 

ウンス

すまぬ…

 

しばらく聞かせてくれぬか

この音色を…

歌声を…

 

そう言い

 

 

 

少し座ろう…

 

そのような仕草でウンスを引き寄せ

 

店の前に置いてあった

木の長椅子に二人座った

 

 

そしてヘジョンに耳打ちし

 

 

この音色奏でる者

調べてこい

 

 

そう言うと

 

 

ウンス…

ちょっとよいか?

 

少しここに座って

しばらく…

 

一時

 

ぼおっ…としても

 

 

 

 

うん…

いいわね

 

すごくいい…

 

久しぶりに聴いたもの

こんな

 

天界にいた時に聴いていたような曲

 

なんか嬉しい…

私も

 

 

あ…ヨン大丈夫?

私天界の話しても…

今すごいしちゃったけど

 

ドイツなんて言っても

分かんないわよね

 

あのね

ソウルみたいな…

 

 

またウンス…

静かに

 

 

そう笑いながら

 

しっ

 

そういう顔を見せると

 

 

俺は大丈夫だと言ったろう?

 

どんどん

 

たくさんしてくれと

言ったじゃないか…

天界の話を

 

 

 

それだけ言って

 

微笑みながら

 

ウンスの頭を

右手で自分の肩に載せるように

 

 

ここへ…

 

 

そう言いいながら

静かに寄せると

 

 

 

お前たちもあそこへ座れ

そういう目配せを

 

ミソン

テマン

ジンス

 

にするチェ・ヨン

 

 

屋根の上で見張っていた

 

まだ十代の若者

まだまだ恋も武道も

これからの二人

 

だがやる気だけはみなぎっている

二人

 

チェ・ヨンに

稽古をつけてもらいたくて

しょうがない二人

 

ジホとシウルにも

目配せした

 

 

お前たちも見張りながらでよいから

少し聴けと…

 

 

 

♫♩ ♡  ♫♩ ♡  ♫♩♡   ♫♩♡

This love, this love, this love, this love…

 

♫♩ ♡  ♫♩ ♡  ♫♩♡   ♫♩♡

This love, this love, this love, this love…

 

oooh ooh ooh ooh♪

 

 

 

ヨン…

 

いいわね

すごく

素敵すぎる

 

 

なぜ?

なぜここでこんな歌が聴こえるの?

 

 

なぜ?

 

なぜ?

 

そしてなぜ?

なぜヨンはこの歌に反応したの?

 

 

ああ…久々にウンスの

 

なぜ?

 

が始まった

 

困ったお方だ

という顔をしながらも

 

細かい表情には

微笑みがあふれている

 

あの優しい眼差しの微笑みが

 

 

 

 

なんか…

私の知らないヨン…

 

まだまだ知らないヨンが

いっぱいいるのね…

 

 

そう言いながら

瞳を閉じるウンス

 

 

かすかだが

しっかり

 

その声が

その言葉が

その音色が

 

聴こえる

 

 

 

 

二人は瞳を閉じ

 

 

すっかり帳が落ちて

蒼白く光る月の優しい光が降り注ぐ中

 

 

昼の太陽とはまったく異なる

優しすぎる蒼白い光を浴びて

 

二人の躰を暗闇に浮き上がらせる

まるでそのような光を

浴びて

 

その音色と言葉に聴き入る二人…

 

 

幾度となく繰り返されるその音

その歌…

 

 

いつの間にか

多分…

すごく英語が堪能なのだろう

 

まあ…俺の妻は

立派な医者であるからな…

 

 

そう自慢気に想いながら

チェ・ヨンは

 

 

ウンスが口ずさみ始めた

その音を

 

 

閉じられた瞳で

なめらかな瞼で

その瞼の下にある

黒く長い睫毛を

時に瞬かせながら

 

 

あの雄大などいつの風景を

あの時の光景を

想い出しながら

 

聴いていた

 

今横にいるウンスとともに…

 

 

 

 

あのライン川岸の木々の間を

 

これから緑芽吹いたら

どんなにか綺麗だろう

 

そのような木立の中を

 

 

 

自分を見ながら

先ほどしたように

 

笑い声をたてながら

俺に手招きしながら

俺を見ながら

後ろに飛び跳ねていくような

 

 

そのようなウンスを

 

 

閉じたまぶたの裏側に

映像として映し出しながら…

 

 

頭を後ろの壁にもたれかけさせ

少しあごを上に向け…

 

 

 

体は高麗にあるが

 

その身は

その想いは

今…

 

あのどいつの

雄大なライン川のほとりで

ウンスとともにいた

 

 

 

今よりも

もっともっと自由な二人

 

周りに二人を知る者は誰もいない

二人を狙う者もいない

 

だれも二人のことに干渉しない

 

 

 

ただ目が合えば

すれ違えば

 

軽く笑顔で会釈する

 

 

そう…

 

赤ん坊を

小さな荷車のようなものに載せ

幸せそうな顔で散歩する母親

 

たくさんすれ違った

そのような親子に

 

その木立の道で

 

 

その時

 

かわいらしい男の子と女の子の

双子だろうか…

 

 

 

すごく可愛らしい双子の赤ん坊の

顔を見ながら

ライン川に時々目をやり

 

微笑みながら

本当に幸せそうな顔で

歩く母親

 

 

 

すれ違う時

 

俺たちを見て

微笑んだ

 

にっこと

 

 

 

旅行で来たの?

いいところでしょう?

ここ…

 

ほらそこに黄色い花も咲いてる

 

五月になれば

もっと全然すごいのよ

ここは…

 

 

そんなようなことを言っている

 

 

そう言っていた

 

 

 

ああ…

 

可愛らしかった

あの小さな手

あのぎゅっと握った

小さく握りしめた手

 

 

 

俺は思わずしゃがみ込み

 

 

 

よいか?

 

 

 

そのような声をかけて

 

その小さな手に

俺の右の人差指で

 

 

とんとん

 

 

と優しく触れてみた

 

 

 

ぷにゅっと

ぷくっとした

本当にやわらかい手

 

 

そしてその

可愛らしい手の端には

 

俺の頬にあるのと同じ

えくぼがあった

 

 

 

俺を見て

一瞬びっくりしたようだったが

 

すぐに

 

にこっと

 

笑った

男の赤ん坊

 

 

ああ可愛らしい

あの無垢な笑顔

 

 

思わず俺の人差指を

 

 

その赤ん坊に

握りしめてほしくて…

 

 

ぎゅっと握りしめている

その手の中に

 

俺の人指し指の先を

そっと入れてみると

 

 

そのぎゅっと握っていた手を

少し開き

 

俺の人差し指すべてを

握りしめたのだ

 

 

ぎゅっと

 

意外と力が強い

こんなにも小さい赤ん坊なのに

 

 

俺の人差指を

その小さな小さな手で

ぷくぷくとした

幸せな手で

 

ぎゅっと握りしめると

 

 

あ~ぶぅ~

 

ぷ~っと

 

唇の端に丸い透明なきれいな

泡を作りながら

 

そう話しかけてきた

 

 

思わず

母親の顔を見上げると

 

何か言っている

 

 

 

…好きなんだって

…指にぎるの

 

…大好きな人の指を握るの

 

 

そう言ってる

 

 

と俺に教えてくれた

 

 

 

 

思わず俺は赤ん坊に話しかけた

 

 

そうか

俺のこと…

気に入ったのか?

 

お主は…

 

よい子だな

強くなれよ

 

 

強くなって母上を護るのだぞ

 

護るということは

すごいことなのだぞ

並大抵な愛ではできないからな

 

 

くくくくっ

 

 

思わずそのような事を

俺はその赤ん坊に

 

言っていた

 

 

ずっと俺の指

その小さなプクプクとする手で

握っていて欲しかったが

 

 

母親も忙しいだろう

 

そう想い…

 

 

 

さらにぷくぷくとした両頬を

俺の両手で包み込み

 

 

男の子も女の子も

一度ずつ包み込み

 

 

そして手を離した

 

 

本当に名残惜しかったが…

 

ああ…

 

本当に至福だった

あのとき

 

 

 

 

そこに俺を知るものは誰もいない

誰も俺のことなど気にしていない

 

いや…俺が話しかければ

誰でも俺に接してくれる

 

 

だがその距離感

 

 

まあここ高麗でもその距離感は

十分にあるが

 

 

 

だが常に狙われている

常に身を挺して護らねばならぬ

 

だからこの鬼剣が身から離せず

常に身に持ち

常にウンスを命を懸けて護らねば

 

そう身構えている俺

 

 

 

それに引き替え

その必要がまったくない

どいつ

 

ああ…それと

天界のソウル…

日本…

 

 

みなそうだな

天界は…

そういうところだ

 

 

だからこそ

行きたい

 

ウンスと

再び

 

そして住んでみたい

いつか天界に

ウンスと二人で

 

 

 

だがその前に俺はこの高麗を

なんとかせねば

 

 

 

そしてそれと同時に…

もっと重要なことが…

 

 

 

欲しいのだ

 

俺は

今すぐにでも

 

 

俺たちの可愛い

可愛くてたまらぬ子供を

 

ウンスの次に

可愛いと思えるだろう

 

俺たちの二人の…

二人でともに愛した結果…

いや結果ではない

 

 

二人の愛の未来を描く

 

 

俺たちの赤ん坊が

欲しいのだ

早く

 

一日でも早く

 

 

ウンス…

 

 

そうチェ・ヨンが長らく

 

想ったか…

語ったか…

 

定かではないが

 

確かな

この想い

 

チェ・ヨンの深い想い

 

 

ウンスには届いたのだろうか…

 

先ほどウンスは…ヨン…

と言っていたが…

 

 

 

 

 

ウンスがあの音に合わせながら…

 

 

♬♩♬♩♬♩

This love is good, this love is bad

This love is alive back from the dead

These hands had to left it go free

And this love came back to me

oooh oooh ooh

♬♩♬♩♬♩

 

 

なにやらずっと繰り返し流れる曲に

合わせ口ずさむ

 

 

この愛 素敵

この愛 だめ…

この愛 死から蘇り

私たちの手 自由にしなきゃならなかった

そしてこの愛 私に戻ってきた

 

♬♩♬♩♬♩

This love left a permanent mark

This love is glowing in the dark

♬♩♬♩♬♩

 

 

この愛 永遠の印を残す

この愛 暗闇の中で育っている

 

 

はあっ

直訳だとこんな感じか…

 

そうウンスが言った

 

 

でも私たち風に受け止めると

 

この愛 ありえないくらい素敵

この愛 でもありえないくらい困難

この愛 一度は諦めかけたけど

でもやっぱり 私たちのもとに戻ってきた

 

一度諦めかけた時

その時 私の手から自由に

してあげなきゃ

 

解き放ってあげなきゃ

そう思ったの

 

でもやっぱりそんなこと無理だった

 

そして私の元に

私たちの元に

 

この愛は戻ってきた…

 

 

そんな感じかな?

 

 

っと

ウンスが笑いながら言った

 

どう?

私すごいでしょ?

ちょっとは

 

そんな風な微笑みで

 

 

ああ…

すごいぞ

 

ウンス

 

俺にもっと英語を教えてくれ

そして広い世界を教えてくれ

 

頼む…ウンス

 

 

俺はもっと広い世の中を見て

 

この高麗がよりよい国になるように

王様を助けていきたいのだ

 

そう王宮の方向を見ながら

言うチェ・ヨン

 

 

 

ヨン…分かった

 

ヨンは何かどこで

 

天界のどこかで

何かを見てきたのね

 

そしてすごくいろんなこと感じたのね

 

それって本当に素敵なことよ

すごいわ…

 

そんなことができるなんて

ヨン

 

できれば私も一緒にいたかったけど

今度は連れて行ってもらえるかしら?

 

 

そうそう

 

それよりも…

 

分かった

ヨン 分かったから

 

私もさっき…ヨン…っ

ていったでしょ?

 

ヨン…

ヨンよ

 

だからもっと愛してね

私を

 

産婦人科のことは

実のところそんなに詳しくないけど

 

 

女性だもの

それなりのことは分かるわ…

 

私いろいろ気をつけるから

早くその…

 

ヨンと私の…

その…

 

赤ちゃん

 

 

早く授かるように

できる限りのことしてみるから

 

 

チェ・ヨン

 

 

早くそのぶくぶくっとした

指をさしのべれば

ぎゅっと握ってくれる手

 

口からよだれ…?

笑えるけど

 

丸い泡を口の端につくりながら

私たちをじっとみて

 

ぶ~っぶ~っ

そのよだれを吹き飛ばして

遊ぶ赤ちゃん

 

ぶぁ~ぶ~ぷ~

 

って言ってくれる

可愛らしい赤ちゃん

 

早く見られるように

努力してみるから

 

ヨンも協力してね

 

タイミングとかいろいろあるから

そうするとホント効率いいから

 

 

あああ…分かったから

ウンス

 

すぐ医者の顔で

現実的な話になるウンス

 

 

それが目的ではないから

俺たちの愛は

 

分かったな

それを目的にするな

 

そのようなことしなくても

大丈夫だ

必ずすぐに

授かるから 俺たちは

 

 

俺には見えるのだ

いや

その姿が

もう見えているのだ

 

 

そう言った

 

 

 

ふ~ん

なんだかよくわかんないけど

 

まあそうよね

焦らなくてもね…

 

チェ・ヨンのその

底知れない力というか

体力というか…

 

段々もごもごと

 

顔を赤らめながら

下を向くウンス…

 

私たち今晩…やっぱり…

するの?

 

そんな潤む可愛らしい瞳で…

 

やはりはっきりと

色気のない

現実的な言葉を

 

口にするウンス…

 

 

ああ…

それにしてもこの曲いいわね

 

ヨン!そうだ

 

雷光で私のスマホ

充電してくれないかしら?

 

そしたら一杯聞けるわよ

こんな曲が

 

今度試してみて!

お願い

 

なんでもチャージできるでしょう?

ああ力を満たすってことね

 

チェ・ヨンの雷光なら

 

敵を倒すためだけじゃなく

自分を治すだけじゃなく

 

人のためにこれからその雷光

使っていけたら…

 

そしたらいいわよね

 

私たち二人で人のために

世のために

 

少しでも

ほんのわずかな光でもいいから

 

そう…

あのお風呂の格子窓から注いでいた

 

あんな柔らかな

本当にささやかな光でいいから

 

 

そんな光で世の中のために

少しでもなれたらいいわよね

 

Light to be the world

世の光となろう…

 

 

…あの言葉が

まさかここで生きるなんて…

 

そんな風にウンスは

女子大生だった頃を想い出しながら

 

あのきれいで

若かったあの頃を想い出しながら

 

 

スマホさえ復活できれば

いっぱい昔の写真

ヨンに見せられるのに…

 

これは絶対に雷光でなんとか

してもらわなきゃ

 

そう心に堅く決めたウンス

 

 

 

 

 

 

ヨンの肩にもたれながら

瞳を閉じて

 

そう囁くように言った

二人で世のささやかな光になろうと…

 

 

聞いていたのか

ウンス…

すべて…

 

 

 

ウンス…

お前というやつは…

 

 

俺とまったく同じ想いを

持っているウンス

 

俺の気持ちが言わなくても

全部分かるウンス

 

 

チェ・ヨンはまた我慢できなくなり

 

今度は

ウンスの正面から

覆い被さるように

 

他からはウンスが見えないように

自分の広い背中で

ウンスのすべてを隠すと

 

 

得意の熱い口づけを

 

ウンスの唇に

そして瞼に

 

 

 

まずいチェ・ヨン

それ以上はだめだ…

 

 

 

首に

胸に

降らせ…

 

少し胸の丘に手で触れ

先をつまむと

 

ウンスの耳に囁いた…

 

 

 

ウンス

どうする…

 

もう帰るか…

 

買い物も

酒も

今度にして

 

出直すことにして

 

帰ろうか…

今から

 

俺たち…

 

 

そう息も苦しげに…

ささやくチェ・ヨン

 

 

 

ウンスは思わず

 

ああっ…

 

と小さい呻きをあげ

 

思わず…

 

うん…

 

そう呟きそうになったが

 

 

そこはなんとか

今度はウンスが思いとどまり

理性を保ちながら

こう言った

 

 

 

私…

 

そうしたい

今すぐにでも

今ここででも

 

それくらい

そうしたい…

 

けど…

 

 

ヨンが買ってくれるっていう…

 

ヨンが行きたかった店にも

今行かないと…

 

この初でえと

今しないと

 

 

また今度いついけるか…

 

それに

 

お酒もちょっと

 

ちょっとだけ

だんだん理性が完全に戻ってきて

 

 

親指と人指し指を

合せながら

片目をつぶり

 

ちょっとだけ…

 

そう言って

可愛く

チェ・ヨンに

 

お願いをした

 

ウンスの

お願いを

 

 

…・・

 

今の荒くなった息を

少し整えながら

 

 

 

よしよし分かった

 

 

 

そうチェ・ヨンは

満足気な顔で

ウンスの頭をなでると

 

 

 

よし…ではいくか

 

まずはこの店だ

ウンス…

 

 

うん!

行こう!

ヨン

 

 

そう言って二人は勢いよく立ち上がると

 

再びその店の

のれんをくぐっっていった

 

手をぎゅっと握りしめながら…

 
 
image

ウンス...ライン川が見えるか?

俺たち…必ず行こうな

どいつに

 

 

 

============

 

すみません

この物語…

 

すこしぶっ飛んでまして

だんだん

天界の話が

そこかしこに

でてきます

 

申し訳ないのですが

別テーマの

 

チェ・ヨン世界を行く

ドイツ編

 

を読んでいないと

意味不明な部分が

多数になってきますので

 

ぜひそちらも合わせて

お読みいただけると

嬉しいです

 

yukiyon

 

============

 

 

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3 Comments

yukiukiyon  

3. Re:ヨンの赤ちゃん☆

>marumomoさん

ごめんなさい
何回やっても途中できれちゃうの
で、さっきの続き…

今ヨンはAll Too Loveきてるのヨン
では次話の旅
いまからヨンといってきます

ちなみにヨン…肩結構ぶくぶくしてたよ
手もね…
細くてきれいだけどね

おいyukiyon!

しらないのに勝手をいうな
ウンスが勘違いするだろう?
まったく!
ヨン

2016/03/16 (Wed) 21:06 | EDIT | REPLY |   

yukiukiyon  

2. Re:ヨンの赤ちゃん☆

>marumomoさん

わ~い❤️
コメありがとうございます
これからちょうど次話書こうかな~
と思っていたので
エネルギーになりましたよ

次は甘いというより珍道中かな?
今のところは…

店の前で一話も費やして
This Love聞いて
赤ちゃん欲しい宣言を
ついにしたとこで

ようやくでえと1話目の開始です^^;

ほんとは今…ヨンは
All Too Well

2016/03/16 (Wed) 21:04 | EDIT | REPLY |   

marumomo  

1. ヨンの赤ちゃん☆

こんばんはー
やっとゆっくり読めます(^o^)
ヨンにとっては大変貴重などいつ旅行だったのですね~~
2人でヘッドファンをしてThisLoveなんて聞いたら
2人の世界へ行ってしまいますね(^з^)-☆

ヨンの肩にもたれかかりたいわ(笑)

2人の赤ちゃんなんて想像したことなかったけど
教室はちょっと思い浮かべてみました♡

ヨンの赤ちゃんはやっぱりえくぼのでる可愛い男の子ですね
妄想しちゃいました(笑)

こんばんは、ウンスお酒飲めるのかな??
たまにヨンも酔わせてあげたいわ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
まだまだLoveモード全開ですね♡♡♡
yukiukiyonさんとどいつにいたヨンもすきでーす(^^)

2016/03/16 (Wed) 20:36 | EDIT | REPLY |   

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