No Life No Lee Min Ho イ・ミンホ

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あふれ出る想い 番外編3 ーヨンとウンスが選んだ初夜ー

 
チェ・ヨンとウンスはようやく
典医寺のウンスの部屋にたどり着いた
 
誰の目も気にすることなく
二人きりでこの王宮を歩けることの
そんな小さな幸せを噛みしめながら...
 
 
道中 互いへの想いが募る余り
その微笑みを見ては
その眼差しを見ては
 
 
心臓が止まるかと思うほどに
何度も胸が締め付けられ
 
その想いをどうしたらよいか
分からなくなる二人であったが
 
チャン・ビンの
 
互いの想いを話すのだ
じっくりと
 
そして二人の想いを
重ね合わせるのだ
しっかりと
 
という
 
ウンスを愛した男からの
チェ・ヨンを真の友とする男からの
 
二人の祝言へのはなむけの言葉から
 
不器用な二人が
ようやくあふれ出る想いの
愛し方を知った
そんな瞬間でもあった
 
 
 
初めてチェ・ヨンが
ウンスへの想いを爆発させた
思い出の部屋
 
どうしようもなく情けない
欲丸出しの俺が
ウンスの唇を奪った部屋
 
あれ以来初めて入るが
まだあの時の高揚感
どうしても押さえきれなかった想い
そして
ウンスの初めての感触が
俺の躰に鮮明に残っている...
 
 
そんな部屋に二人は一緒に入り
チェ・ヨンが静かに
 
 
ぎぃー  ばたん
 
 
とその扉を閉めた
 
 
 
これまで二人を分け隔てていた
その扉
 
今はウンスとチェ・ヨン
共に同じ部屋に入り
 
ヨンがその扉を
自らの手で閉めた
 
二人きりになるために
 
これから初めての夜を
二人きりで過ごすために...
 
 
 
部屋に入り向き合う二人
 
大好きな
愛している
私の夫となったチェ・ヨンが
 
私の瞳をじっと見つめている
目の色が違う
目の表情が違う
 
私を欲しているようにも
見えるけれど
我慢しようとしているようにも...
 
見える
 
 
さっき晴れて正式な
夫婦になったのだから
 
私たち
今から
 
 
 
 
ウンスは自分の鼓動がどんどん
早くなるのを感じ
もうその体が切り刻まれるような
痛みに耐えられず
 
 
 
あぁ......
 
 
 
とたまらず
 
小さな吐息を一つ吐いてしまった
 
そんな自分が恥ずかしく
思わず胸を押さえ下を向くウンス
 
 
チェ・ヨンは今にも衝動的に
なってしまいそうな自分を
精一杯の努力で押さえながら
 
 
 
大丈夫だ
 
 
 
そう優しい眼差しで
ウンスに語ると
 
 
疲れているだろうと労わり
椅子へとゆっくりと座らせる
 
 
何か飲みますか?
喉など渇いていませんか?
 
 
そうチェ・ヨンが言い
 
側においてあった水差しから
器に注ぎ
 
一杯差し出し
飲むように促す
 
 
自らも熱く焼きつくような喉に
ぐいっと押し込んだ
 
余計喉に絡みつくだけで
全く何の足しにもならなかったが...
 
 
そんなチェ・ヨンを見て
 
 
チャン先生と違って
お茶にまで気が回らないところが
無骨なヨンらしくて好き
 
 
そうウンスは少し安堵の一息をつき
理性を取り戻しつつあった
 
 
 
チェ・ヨンの
 
疲れている自分を
労わってくれる想いに
少しほっとする自分もいた
 
 
 
酒じゃなくてよいのですか?
 
あんなに宴で美味しい酒を
たらふく飲みたいと
仰っていたのに...
 
俺としては
あなたに他の男の前で酒など
飲んでほしくないが...
 
今なら俺と二人だけですから
許すしますが
いかがしますか?
 
 
 
今日はいいわ
 
とウンス
 
 
お酒なんて飲んだら
疲れてるしすぐに寝ちゃうから
 
そしたら
明日から戦でほとんど会えないかも
しれないのに
 
ヨンと何も喋れないじゃない...
 
 
 
いつもなら胸に飲み込んでしまう
言葉を
 
今は正直に口にするウンス
 
 
 
チェ・ヨンは思い出していた
 
薬草園の木々の間から
 
このウンスの部屋の前から
 
ただ見つめるしか
ただ護るしかできなかった
日々のことを
 
 
その時の自分のウンスへの想い
今伝えねば
どうして俺があんなにも
ウンスに冷たかったのかを
分かってもらわねば
 
そうチェ・ヨンは思い
 
 
 
ウンス...
 
 
聞いていただけますか?
俺の想いを
 
と聞く
 
 
 
それに答えるウンス
 
 
うん...
 
 
 
 
では
 
そう言うと寡黙なチェ・ヨンが
ウンスに向き合い
 
自分の想いが伝わるように
その白く細い手を握りしめ
ウンスの瞳をしっかり捉え
訥々と話し始めた
 
 
あなたへの想いに気づいた日
 
 
俺はこの部屋の前で
母上がいなくなった日以来
初めて泣いたのです
 
それまで
俺に涙が残っているなんて
思ってもみませんでした
 
その時から
俺はあなたへの想いに
蓋をせず
 
たとえ天界にお帰りになることに
なったとしても
 
俺の女人にするのだと決意したのです
 
 
それまでの俺は
 
ただ木々の間からあなたを見つめ
お護りするだけ...
 
 
その間
 
チャン・ビンが
あなたを温かく抱きしめ
慰めるところを
何度見たことか…
 
胸が焼けるようであった
苦しくて死にそうであった
 
 
そのようにできない俺
見ているだけでよいと
思っていた俺
 
影から  側にいて
あなたを見護ることができるなら
それでよい
 
これ以上側に行ってはいけないのだ
これ以上想ってはいけないのだ
 
 
そう想い我慢していました
ずっと
俺は...
 
 
 
自分のふがいなさを嘆いた夜
だが  それでいいのだと
自分の心を偽り続けた夜
 
 
俺はチャン・ビンのように
何も話してやれぬ
何も聞いてやれね
抱きしめてもやれぬ
 
 
 
......
 
 
 
 
だが
 
何もしてやれぬが
話すことなどできぬが
 
 
俺が慕うあなたを
ただ護れれば
それで幸せだと想っていたのです
 
 
 
慰めるようなこと
そのような器用なこと
俺にはできませぬから...
 
 
あなたを怒らせることはできても
温めることなどできませぬ...
 
 
ならば
それができるチャン・ビンに任せ
 
それであなたの心が癒されるなら
それでいいと思っていたのです
 
 
 
だんだんとチェ・ヨンの声は震え
大粒の涙がぽたぽたと
床に音を立てて落ちる
 
 
 
ウンスはハッとした
 
 
そしてウンスもまた
いつもなら飲み込んで
自分だけで決めてしまう想いを
言葉にする
 
 
ヨン…
 
ごめんなさい
 
 
私だけが辛く苦しいのだと
思っていた
 
あなたはそう
不器用な人だったのよ
 
今は精一杯背伸びして頑張って
そうではないように
しているけれど
あなたはそう
不器用でどうしようもない
人だった…
 
 
そんなことしちゃだめ
 
このチェ・ヨンに
 
そんなできないことばかり
させていたら
あなたいつか壊れてしまう
 
ヨンはヨンらしくいなきゃ
そんな不器用なヨンが
私は大好きなんだから
 
そんなヨンを私愛してるの
 
 
そんなヨンと
 
何度も何度も
どんなに月日が流れようと
 
死んでもまた生まれ変わり
またそこで再び出会い
愛し合いたいの
 
 
ウンスも涙など拭うこともせず
チェ・ヨンの瞳を真っ直ぐ捉え
その眼差しに訴えるように言う
 
そして…
 
 
 
お願い
私を
こんな私を…
 
 
私を絶対に離さないで
あなたの側にいさせて
 
永遠に
永遠以上に
 
お願いっ
 
ヨン…
 
 
その愛らしい瞳に涙の雫を
いっぱいにため
俺に請いすがるようなウンス
 
 
思わずウンスを引き寄せ
自分の胸にぶつかりながら
入ってくるウンスを
 
壊れそうなくらい強く
強く
 
 
 
抱きしめる
 
 
 
ヨン…
 
 
抱きしめられたヨンに
ウンスはまだすがる
 
 
明日からの戦を思うと
不安でならないのか
 
この短い時間しか自分たちには
ないと思い
胸が締め付けられるのか
 
その気持ちを打ち消すかのように
すがるウンス
 
 
お願い
 
 
お願いだから  ヨン
 
 
私を
 
 
私を一人にしないで
 
 
もう…ウンスは…
 
泣きじゃくり
 
ヨンの胸の中で泣きじゃくり
立っている力すらさえもない
 
 
そんなウンスを
優しく抱き上げ
抱えるチェ・ヨン
 
 
俺に身を任せて…
 
安心するのだ
ウンス…
 
 
そういう眼差しをウンスに送り
気持ちを落ち着かせると
 
 
 
ウンス
 
 
よく聞いて
 
 
いいですね?
 
 
短い言葉を区切って
静かに優しく話しかける
 
 
チェ・ヨン
 
 
 
俺があなたを離すなど
 
そのようなこと
するわけがないでしょう?
 
 
 
あなたこそ
怖いからと言って
 
俺の側から
いなくならないでくれ
 
逃げないで欲しいのだ
現実から
 
 
 
お願いです
 
 
たとえ
万が一
万が一…
離れてしまったとしても
 
 
俺は絶対にあなたを
探し出すから
 
必ず
きっと
 
もし会えなかったとしても
俺は待ち続けるから
必ず
 
 
あなたがどこに行こうと
たとえ生尽きて死んだとしても
 
 
生まれ変わって再び
必ず
 
 
どの世界に生を得ようが
異なる世界にいようが
 
俺は絶対にあなたを探し出す
 
 
天界からここ高麗に
お連れしたように
必ず
 
あなたを見つけ出すから
 
 
俺を信じてください
お願いです
 
 
俺に付いてこい
お願いだ
 
 
 
 
あなたは俺なのです
 
 
 
そして俺はあなたなのです
 
 
 
いいですね?
 
俺の妻
ウンス
 
 
 
 
そう言うと
 
チェ・ヨンは
胸に抱き上げていた
ウンスの
 
頬に自分の頬をすり寄せながら
擦り合わせる
 
 
何度も何度もすり寄せ
唇をその頬に滑らすと
 
 
ウンス  
 
俺の妻...
 
 
再びそう言い
 
 
今度は
 
まぶたとまぶたを
鼻と鼻を
唇と唇を
合わせた
 
 
それが自分のものだと
言わんばかりに
 
そして
ウンスのそれらに
自分の唇を
静かに落としつづける
 
触れるか触れないか
わからないくらいの
限りない優しさで
 
 
 
そして
その厚い胸にしまい込むように
ウンスの全てを包み込み
 
 
自分の中にしまってしまうかのように
ウンスを抱きしめるチェ・ヨン
 
 
 
 
チェ・ヨンはつい先ほどのように
 
荒々しくウンスを求めなかった
それ以上先に進もうとしなかった
 
 
 
ウンスは
それを待っているというのに
 
 
 
チェ・ヨンの愛が欲しくて
 
 
大丈夫だ私たちは…と
 
 
これから自分が体験したことのない
厳しい戦いが始まる中で 
 
自分が壊れずに信念を持って
 
チェ・ヨンを
待っていられるだけの
信じていられるだけの
 
チェ・ヨンの確証が欲しくて
チェ・ヨン自身が欲しくて
チェ・ヨンの形が欲しくて
 
 
待っているのに
 
 
新妻ウンスは恥ずかしく
 
それだけは…
言えなかった
 
 
そしてチェ・ヨンは
先ほど荒々しくウンスを
傷つけてしまった
自分を悔い
 
ウンスを大事に
 
大事にしたいと思うあまり
 
 
夫婦になったというのに
逆にウンスを愛することが
できなくなっていた
 
 
だから
こんなことを言ってしまう
 
 
俺はあなたを大事にしたいのです
 
大事に大事にこれから愛を育み
そして
それから…
 
一つになりたい
 
 
想像も付かぬ戦いを前に
この不安をチェ・ヨンの愛で
消し去って欲しいのに
恥ずかしく自分の正直な気持ちを
言えなかったウンス
 
思いもしてなかった荒々しさで
ウンスを求めてしまった
自分の悔いをエゴに変え
愛を求めることに
恐怖を抱いてしまっている
チェ・ヨン
 
 
互いにその想いが言えず
この場はチェ・ヨンの思い込みが
先導して
ウンスがその想いに
少し不本意な想いに
流されていく…
 
 
 
 
 
 
 
チャン・ビンと違って
 
俺たちはいつも一緒にいることが
できません
 
むしろいつも離れて生きていかなくては
ならないのです
 
 
そんな任務に就いているのです
 
 
でもその任務
 
気概を持ちこれ以上ない天職と思い
俺は全うしたいのです
 
だがそうしようとすると
 
俺は高麗のために人を殺し
あなたは高麗のために人を救う
 
相反することをしなければ
ならない
 
 
それでもよいのでしょうか
 
こんな私のやらねばならぬ
任務をあなたは許せますか?
 
不条理だと思いませんか?
 
 
 
何を言ってるの?
ヨン
 
人を殺すのがあなたの仕事じゃない
 
あなたは護るために
それを阻止しようとする人から
護ってるのよ
 
だから
殺すためにしてるんじゃない
護るためにしてるの
 
 
それでも気にするなら
私があなたを護ってあげる
 
あなたが国を護るために
払いのけた人の命
私が全部助けるから
 
 
 
あなたに罪はない
罪は国と国の戦いにあるの
 
 
 
そういうと
ウンスが
ヨンの頬を両手で包み込み
目をしっかりと見つめ
 
唇を合わせた
 
ウンスもチェ・ヨンと
同じように
端から端まで
少しずつ合わせ
なぞるだけ...
 
 
私のことを大事にしたい
というヨン
 
 
そうしたいなら
ヨンが精一杯我慢して
どうしても我慢したいって
いうなら
 
 
私も我慢するわ
 
 
 
ただ唇と唇を
合わせ
その上をなぞるだけ
 
 
顔を
頬を
まぶたを
鼻を
 
擦り寄せるだけ
 
そして躰を合わせるだけ
 
 
それでも二人は
 
これからの人生について
 
共に生きていく
ということについて
 
互いの疑問と答えを
ぶつけあうことで
信じ合う心で未来を描き
 
本当に一つになったような
気持ちになれた
 
先ほど躰が一つになる愛を
知ったように
 
今度は心が一つになる
そんな満ち足りた愛を感じた二人
 
今まで胸のうちにしまっていた
想いを改めて口にすることで
 
互いを理解し
互いの悲しみや苦しみを共有し
 
そしてこれから互いに
どう生きていくかを
分かり合えた…
 
 
ウンスを高麗を護るヨン
 
ヨンを人の命を護るウンス
 
 
 
そして二人が決めたこと
 
死んでもまた生まれ変わり
互いをを探し出し
再び愛し合うということ
 
この固い心の結びつき…
 
明日からの戦の前に
確認しあえた
 
 
 
大丈夫だ
きっと
 
どんなことが待ち受けようと
 
 
 
戦なのだ
どんなことが起きるかわからない
 
だが
何があろうと
 
 
ヨンとウンスは
乗り越えていける
絶対に
 
今この時点では
二人はそう想い
そう想うことにして
 
互いの欲に蓋をして
 
同じ瞳で見つめ合うと
 
再び抱きしめあい
躰を重ね合い
顔をすり寄せながら
 
深い眠りについた
 
今まで本当にしたかった
 
二人で躰を重ねながら
頬をすり寄せながら
互いの温かさを感じながら
心から幸せな気持ちで
深い眠りにつくということ
 
ようやく二人は満たされた想いで
その深い眠りに落ちていった
 
 
 
だが…その眠りは束の間
 
 
 
明日朝には
チェ・ヨンは戦に出ねばならない
 
 
image
ウンス 俺はあなたを大事にしたいのです
 
 
 
 
============
これで番外編最終回の
予定でしたが…
 
一話付け加え
アメ限とします
 
予定が変わり
申し訳ありません
明日の夜…また…
会えるかもしれない…
============
 
 
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6 Comments

yukiukiyon  

6. Re:しっとり

>みぃたさん

すごく悩んだ末
二人はまず心を一つにし
ずっとしたかった互いの温もりを
感じながら深い眠りに落ちることを
選択しました

しかし戦がせまるほど

多分これだけでは
耐えきれぬと思い

次があります

間に合えば
今宵....

2016/03/01 (Tue) 15:19 | EDIT | REPLY |   

みぃた  

5. しっとり

爆発するのかと思いきやしっとりですごい深い想いを語って…入り込みすぎでまだ心臓がドクドクしています。

戦か…ほんとに束の間ですね(;ω;)

アメ限楽しみにしちゃってます♡

2016/03/01 (Tue) 15:12 | EDIT | REPLY |   

yukiukiyon  

4. Re:無題

>なかてんさん

コメありがとうございます♪
ウンスまた今壊れそうになっていて
どうしたものかと...

当たり前ですよね
この辛い現実

どうしたものか...

2016/03/01 (Tue) 10:27 | EDIT | REPLY |   

なかてん  

3. 無題

初夜で永遠て言われるのたまりませんね。でも、明日から戦いに行くヨン。ウンスは見送り出来ますか?

2016/03/01 (Tue) 10:24 | EDIT | REPLY |   

yukiukiyon  

2. Re:優しい時間

>marumomoさん

コメありがとうございます♪
もう少し時間があれば
こんな時ももっと気持ちを
楽に過ごせてよいですよね

しかし、明日から戦
なんと非常な...
自分に置きかえたら
耐えられるだろうか...

2016/03/01 (Tue) 02:02 | EDIT | REPLY |   

marumomo  

1. 優しい時間

ヨンがゆっくりと優しくウンスに話しかけるところがすご~く好きです(≧∇≦)

お互いの想いを語り合い、身体だけでなく心もひとつになれましたね~

死んでもなお、お互いを探し出して再び愛し会うなんて言われたら、想像しただけでも心臓が破裂しそうです(^з^)-☆

戦いを前に、ゆっくりと優しい時間を過ごせて良かったです(^^)

この2人本当に短い時間にいろいろなことがありましたから、こんな感じに過ごすのがいいですね

2016/02/29 (Mon) 21:22 | EDIT | REPLY |   

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