No Life No Lee Min Ho イ・ミンホ

イ・ミンホ Movie・FF・Photo

あふれ出る想い 番外編2 ーヨンとウンスが歩いた夜道ー

チェ・ヨンとウンスは

典医寺のウンスの部屋の

前までゆっくりと歩き

ようやくたどり着いた

 

ここにたどり着くまで

二人の心は一体何度

破裂しそうになったことか

 

そんな想いがあるということを

改めて知った二人

 

そして自分たちの愛に

何が足りないのか

 

これから何をどう

育んでいけばよいのか

そんなことも分かった歩み

 

 

 

二人ゆっくり

月明かりがほのかに照らす夜道を

ただ歩いただけのこの時

 

これまでそのようなことを

したことがなかった

二人にとって

この典医寺までの道のりは

 

多くを知り

そして

真の愛で満たされる

 

そんなかけがえのない

道程となった

 

 

 

 

 

 

 

高麗王宮にウンスが来て以来

初めてとも言えるほど

 

ゆっくりと…

本当にゆっくりと

二人はその歩みを進めていた

 

 

こういうの

デートって言うのよ

 

腕を後ろ手に組んで歩く

チェ・ヨンに言うウンス

 

 

なるほどという顔を

しながら

 

 

でえと…

 

そのように言うのですね…

 

と微笑むチェ・ヨン

 

 

こんなたわいのない会話を

楽しむ二人

 

 

 

歩きながらウンスは

 

腕を組みたいな…

 

そう思い

 

半歩先を歩くチェ・ヨンの

腕を掴むため手を伸ばそうとしたが…

 

逞しく立派なテジャンの後ろ姿

凜としたチェ・ヨンの後ろ姿

 

その腕を掴みたいのに

 

胸に強い痛みが突き刺さり

どうしても掴めない

 

 

 

気配を感じ

 

どうしたのだ?

 

という顔で

チェ・ヨンが振り返る

 

その目を見た時

 

ウンスの心臓は

一瞬止まるかのような衝撃を

受けた

 

思わず目を反らし

空を見上げる振りをするウンス

 

 

すると

ソウルでは見たことのない

すっきりと澄み切った

蒼白い月がウンスを見ていた

 

大丈夫?


まるで

そう言っているかのように…

 

 

優しく自分を見護るかのような

月を見て

少し落ち着きを取り戻した

ウンス

 

 

回廊の中庭に咲き乱れる

美しい花々の中に

黄色い小菊を見つけると

 

さっきは本当にありがとう

 

と少し潤んだ瞳で

感謝の心をささやいた

 

先ほどの祝言の飾り付けを

想い出しているのか

 

微笑むウンスの横顔に

ふと目を留めるチェ・ヨン

 

はぁ…なんと可愛らしい妻だ…

 

 

そう想い

 

もはや癖になってしまっているのか

その笑みを隠すように

軽く握りしめた右手を

自分の唇に当て

 

ふっ

 

と短い笑みを漏らす

 

その時

ウンスが振り返った

 

 

思わずこれまでのように

違う方向に目をそらす

チェ・ヨン

 

その時ヨンもまた

胸に鋭い痛みを感じていた

 

なんだこれは…

刃物で突き刺されたかに近い

痛み

 

思わず胸を押さえる

 

不思議そうな顔をするウンス

 

顔を反らしたチェ・ヨンは

胸の痛みが少し治まると

 

そうか

いいのか…

 

俺はもう

密かにウンスを見なくても

よいのだな

 

そうだ

これからは

ずっとウンスを見つめていて

よいのだ

 

俺の眼差しで…

ずっと ずっと

見つめていても

誰に何も言われないのだ

俺の妻なのだから…

 

そう思うと口元が緩み

 

若きチェ・ヨンの

両えくぼを作ったその笑顔が

ウンスの目に飛び込んできた

 

 

思わず下をむくウンス

 

チェ・ヨンの笑顔が

眩しすぎて耐えられなかった

 

その笑顔をまじまじと見るだけの

余裕が今のウンスにはなかった

 

 

どうされたのですか?

 

とチェ・ヨンが慌てて

声をかける

 

その丁寧な言い方に

 

ウンスの心臓は

早鐘のように締め付けられ

 

もはや立っているのも

辛いくらいとなり

 

我慢できず

思わずしゃがみ込んでしまった

 

どうしたのですか?

大丈夫か?

 

心配そうな声で

チェ・ヨンも同じように

座り込み

再びウンスを見つめる

憂いを帯びた眼差しで

 

私の夫

チェ・ヨンが

心配そうに私を見つめている

 

 

あぁ…もうだめ

無理…

 

そう思ったウンスは

 

ごめんなさい…

 

そうぽつりと呟いた

 

今はその言葉を言うだけが

精一杯

 

 

何も言えない…

声がでない…

 

 

これまで体験したことのない

この強すぎるドキドキ感

心臓が破裂してしまいそうな…

 

 

手術を始める時も

これに似た感覚はあったけれど

それとは全然違う

 

いまに心臓がぱんって

弾け飛びそうな

 

痛い

痛すぎる感覚

 

 

チェ・ヨンから発せられる

あまりにも強い存在感が

ウンスには耐えられず

 

お願い…

 

…離れて…

 

ついそう言ってしまった

 

 

 

驚くチェ・ヨン

 

離れる…んですか?

俺が…

 

 

ウンスの言葉どおりにしか

とれないチェ・ヨン

 

 

どうしたらよいのか

ウンスは一体

どうしてしまったのか

俺がもしかして

また何かいけないことを

してしまったのか…

 

 

また矢継ぎ早に

問いかけそうになったが

 

顔を真っ赤にして

苦しそうにしているウンス

 

 

思わず

 

チャン・ビン!

チャン侍医はいるかっ!!

 

 

そう叫んでしまった

 

 

先ほどまでの恋敵の名前を

呼びながら

 

早く来てくれと言う思いと

ウンスに何かあった時に

自分では助けてやれぬという

情けない思いに

苛まれるチェ・ヨン

 

 

ち…

ちがう…から

 

ヨン

 

ほんとに…

 

 

そう苦しそうに片手を

違う違うというように振りながら

 

チェ・ヨンを見ずに言う

 

 

屋根の上から二人の様子を

見護っていたテマンがすぐに

チャン・ビンに知らせ

典医寺の方から走ってくる

ビン

 

 

早い…

 

チェ・ヨンもウンスも

そう思った

 

 

私たちって…

俺たちは

 

いつも…

 

護られているの?

見られているのか?

 

最後の二人の想いは

少し異なるものだったが

 

そのチャン・ビンの

登場の早さに

とにかく驚く二人だった

 

 

 

どうしたのだっ

 

と心配そうに言う

チャン・ビン

 

 

ウンスが突然顔を赤くして

苦しそうにしながら

しゃがみ込んでしまい

声も出ないようなのだ

 

大丈夫なのか?
早く見てくれ

 

焦りと心配でいらいらしている

チェ・ヨン

 

 

下を向きながら恥ずかしそうに

もう顔も上げられない

という風のウンス

 

 

チャン・ビンはすぐに

その意味が分かったが

 

チェ・ヨンを一つ

心配させてやるか…

 

とにやりと笑い

 

自分で呼んでおいて

忌々しそうな目でみる

チェ・ヨンを横目に

 

ウンスの手を取り脈を測る

 

 

しばらくしてから

手を優しく元に戻すと

 

おもむろにこう言った

 

 

チェ・ヨン

 

お前少し修行しろ

チュンソクでもトルベでもよいわ

 

なんなら俺が教えてやってもよいが?

 

 

あと

脈の取り方くらい

練習した方がよいのでは?

 

そう言って去ろうとする

 

何を意味の分からないことを

言っているのだ

この侍医は

 

そう思い

高麗一の医員ではないのか!

お前は

分からないのか?

どうしたのだ

ウンスはっ

 

 

そう怒鳴ると

 

ウンスが…

 

ヨン…

やめて…

 

そう力のない声で制する

 

 

私…

 

 

そういうウンスの声を遮り

チャン・ビンが

 

これは

 

恋わずらいだ

そしてお前も同じだ

 

そう言うと

 

つけたり飲んだりする薬はない

 

二人で

そのきつそうにしている想いを

浄化させるしかないな

 

 

本当はウンスのために

何か適当な病名でも

つけてやりたい

 

そうチャン・ビンは思ったが

 

こうも自分の想いと

愛というものに疎い二人では

 

俺の身がもたぬ

 

ここは心を鬼にして

二人に気づかせねば…

 

 

それは

先ほどまでの恋敵からの

想いやりという名の

最高の結婚祝いだった

 

 

 

恋わずらい…

 

その意味

ウンスにはすぐ分かったが

 

チェ・ヨンには

分かったのかどうか…

 

 

 

はぁあ…と大きなため息を

つきながら

 

すでにあんなことを

体験している二人なのに

なんなんだこれは

一体…

 

最初と中間が完全に抜け落ちている

 

そう想いこう言葉を加えた

 

もっと互いの想いを

二人で話さなくてはならぬな

 

己の想いも

相手の想いも

 

二人で話しをしてこそ

ようやく分かり

相手にも伝わるというもの

 

 

明日から戦で半月ほどは

ゆっくりとできまい

 

今晩しかじっくりと話す時間は

ないのだから

大切にせよ この短い時を…

 

 

そう言うと典医侍の方ではなく

兵舎の方にぷらっと去っていった

 

 

その後ろ姿を見つめる

チェ・ヨンとウンス

 

なんとなく分かったような

分からないような…

 

 

まあ無理もない

 

無骨で寡黙なチェ・ヨン

 

チュンソクから最近

少々聞きかじった程度

その程度なのだ

 

 

そして仕事一筋だったウンス

かなりの耳年増ではあったが

なんと言っても経験がない

 

そんな二人がようやく出会い

どうしようもなく惹きつけられ

許されぬ恋と想う余り

 

躰の奥底から沸き起こるたぎる想い

心と躰がアンバランスな

突っ走る愛——

を経験した

 

 

無理もないことだ

 

 

 

 

 

典医寺までの道程には

あの死角があった

 

そこを通り過ぎた時の

二人の気持ち

 

躰中に再び熱を帯びる高揚感と

下を向くしかない恥ずかしさ

 

早くここを通り過ぎたい

そう思う二人だったが…

 

 

その場所に

つい先ほどの想い出の場所に

視線を遣らずにはいれず

 

互いに分からぬよう

一目見ようと

確認しようと

視線をやる

 

先ほどのことが脳裏によぎり

だめだと…と戻した時

互いの視線が一瞬絡み合った

 

思わず固まる二人

 

抱きしめたい

抱きしめられたい

 

口づけたい

口づけられたい

 

そして…

一つになりたい

 

 

あふれ出るその想い

それは先ほど以上にあるものの

 

今はただしまい込むだけ

 

ふぅっぅ……と

 

どちらからともなく

ため息を漏らすと

 

何も言わず下を向きながら

再び歩き始めた

 

 

語り合ったり

気持ちに触れあったり

そういう時間が

ほとんどなかった二人

 

 

言葉を交わすとすれば…

 

一方的に問いただすウンスに

 

お護りします

お約束します

 

だめです

なりませぬ

 

の単語だけを並べるだけだった

チェ・ヨン

 

そこに話し合う姿はなく

 

ただ相手の想いを推察し

自分を納得させるだけ

 

そんな会話もそれはそれで

心地良いと感じていた

二人だったが

 

やはりそれだけでは

分かり合えぬことが多かった

 

そういう意味では

日中ずっとウンスといて

共に患者を診ている

チャン・ビンとの方が

よっぽど分かり合えている

 

至極当たり前のことだった

 

 

ウンスの部屋まで

ようやくたどり着いた二人

 

 

愛とはどうやって

育んでいけばよいのか…

 

どうにもよく分からず

苦しんだ二人だったが

 

短い道程の中で

そしてチャン・ビンの

結婚祝いの言葉で

 

 

一筋の光が

道筋が

見えた

チェ・ヨンとウンス

 

 

ここからだ

俺たちは

 

 

数日前にチェ・ヨンが泣いた

あのウンスの部屋の前で

 

衝動的に初めてウンスに

口づけしたこの部屋で

 

この想いのつまった部屋で

 

ほんの一時しかない

二人だけの時を

 

決して無駄にせず

大切にしよう…

 

そして新たな想い出を

二人だけの想い出を

俺たちの夫婦の始まりを

ここで刻もう…

 

そう想い見つめ合う二人だった





{16787020-852E-4A24-818F-CFADB6C84D42:01}
胸が痛い...ウンスを見ると
 

=============

想いシリーズ最終話

チェ・ヨンとウンスの

想いの集大成

夫婦としてのスタートの

夜物語を

明日 日本に

お届けします

=============



にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村
関連記事

 未分類

4 Comments

yukiukiyon  

4. Re:無題

>みぃたさん

コメありがとうございます♪
ただいま休憩中…(^_^;)

チャン先生…なんだか
いつも役得というか
いいことおっしゃってますね…
ヨンがまたまた少し
可愛そうになりますが…(^_^;)
まあヨンはウンスを得たのですから
がまんしていただきましょう

あのお二人…来るのが早すぎです…
確かに

4000文字から700行も削った(^_^;)
長文よんでいただき
ありがとうございます(T-T)♪

2016/02/29 (Mon) 23:32 | EDIT | REPLY |   

みぃた  

3. 無題

チャン先生の結婚祝いのところ
すごい胸にきました。
いろいろあったのを知っているからこそすごいトリハダたっちゃって(;ω;)
いいわぁ

そしてテマン仕事早い笑

2016/02/29 (Mon) 22:49 | EDIT | REPLY |   

yukiukiyon  

2. Re:おはようございます。

>でんべさん

コメありがとうございます♪

こんなに時間がある中で
かけたのは初めてなので
逆に嬉しかったです♡

思えばつぎウンスとヨンの
想いシリーズ
最終話...

どうなるか
いまの原稿のままいくか
変えるか
悩みちゅうです(>_<)

2016/02/29 (Mon) 14:09 | EDIT | REPLY |   

でんべ  

1. おはようございます。

出張先の海外から、更新して下さり、ありがとうございます。

初夜(///∇///)?

此処から始まるのよ!ヨン、ウンス!!

共に白髪になるまで…死しても尚。

2016/02/29 (Mon) 08:43 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment