No Life No Lee Min Ho イ・ミンホ

イ・ミンホ Movie・FF・Photo

あふれ出る想い 8 ーチェ・ヨンの妻ー

 

チェ尚宮はなかなか王妃の元へ来ない

ウンスにしびれを切らし

典医寺までやってきた

 

見るとチャン・ビンを向かいに

机に突っ伏して大泣きしている

ウンス

 

これはまた派手に泣いておるのお

 

とため息を一つ付き

チャン・ビンと目を合わせる

 

 

医仙 そろそろ王妃様のところに

伺わないと…

 

宴にお二人でお出ましになるのでしょう?

 

明日から戦に向かう迂達赤のために

高麗最高の女人お二人が

 

その美しいお顔と笑顔と

そしてあなたのその明るさで

多いに励ましてやらねば…

 

その明るさを今発揮せずどうするのですか?

 

あなたは高麗の医仙でしょう

あのテジャンの女人でしょう

 

ウンスはチャン・ビンのその声色と

 

静かながらに重みのあるその言葉が

 

自分の心に燃え盛り静まらない怒りの炎を

少しずつ消してくれているような

感覚を覚えていた

 

 

本当はすぐにチェ・ヨンが

言い訳…

いやそれは勘違いなのだと

説明しに来るのだと思っていた

 

だがあの男は来ない

 

あれほど

 

私のことを想っている

俺の側から絶対に離れるな

俺のことだけを信じろ

お前は俺の女人なのだから

 

といい続けた男が

 

なんの説明にも

なんの弁解にも

なんの詫びにも

 

…来ない

 

待っても待っても…来ない

 

ここにいるのはチャン先生と

チェ尚宮の二人だけ

 

ウンスにはその意味が分からなかった

 

さきほど二人の想いが通じ合った時

 

あの男自ら これから二人の間で

 

想いを隠したり

我慢したり

するのは

やめようと言ったのに…

 

ついさっき私にいったことを

二つともしてるじゃない

 

そう思うとなんだかまた

目が勝手にじわっとしてきた

 

その様子を察知したチェ尚宮は

とにかく王妃様のところにいって

支度をせねば…

 

もう時間がないのだから

 

そう急かす

 

王妃様…

王妃様のところ…

 

今私が行っていいのだろうか

まさか

王妃様はチェ・ヨンのことが

好きだったのだろうか…

 

でも王妃様とチェ・ヨンでは

どうにもならないじゃない

 

王様はどうなるの?

 

そんなことを思いながら

重い腰を上げチャン・ビンに

 

じゃ宴の準備に王妃様のところに

に行ってくるわ

 

チャン先生も宴には来てね

 

そう声をかけると頭を下に向け

とぼとぼと歩きだした

 

 

先ほどのように回廊を歩いていると

向こうから同じようにうなだれ歩く

チェ・ヨンと

その後ろに続くチュンソクが

視界に入ってきた

 

思わず身をどこかに隠そうとした

ウンスだが

 

時すでに遅し

チェ・ヨンがウンスの気配を感じ

こちらを見ながら歩いてくる

 

ウンスはチェ・ヨンがここで

ちゃんと説明してくれれば

誤解させて悪かったって言えば

明るく許そうと思っていた

 

やっぱり勘違いだったんだって

まさか王妃様となんて

どう考えたってあり得ないし

 

そう思い

今できる限りの美しい表情を

作り前を見て歩く

 

チェ・ヨンがどんどん近づいてくる

 

すれ違うほどの位に来た時

チェ・ヨンは一旦立ち止まり

 

今から王妃様のところに

行かれるのですね

 

そうウンスに聞いてきた

 

しかしその声色は先ほど一緒に手を

つないでいた時のような

弾む声でもないし

謝り請うようなものでもない

単に伝言を伝えるだけの

よそよそしい声

 

今までのテジャンのように

まったく表情のない顔をしてる

 

むしろ心の中で怒っている

そんな感じさえした

 

もともとはっきりしないのが

きらいな性分のウンスは

 

あの 何か言いたいことが

あるんじゃないの?

 

とついきつい声で聞いてしまった

 

するとチェ・ヨンは

すぐに何かを言いかけたが

それを押しとどめ

 

 

ご自分でよくお考えになって

みてください

 

 

と返す

 

そしてチェ尚宮に向い

 

申し訳ないが使いをすぐにやって

邸宅からあの物を持って

きてくれないか

 

と頼むと

 

では後ほど宴で 

 

とだけ言い

 

 

これでは状況が余計悪化するだけと

慌てるチュンソクを尻目に

 

さっさと兵舎の方に去っていった

 

 

再び先ほどと同じ場所で

呆然と立ち尽くす

ウンス

 

しばらくすると訳のわからない

怒りが湧き出し

 

え…あの…

 

あれ…あれは

 

あれは 一体なんなの!

 

と回廊中に響き渡るような声で

去っていくチェ・ヨンとチュンソクにも

聞こえるような声で叫んだ

 

それは

 

チェ・ヨン‼︎

 

.....あなたは誰の心を護りたいの?

 

あなたは一体...

誰の心を一番に護りたかったの?

 

早く思い出して私のところに来てよ‼︎

 

そう叫ぶウンスの声にも聞こえた

 

 

チュンソクがテジャンに言う

 

まずいですよ あれは

なぜ何も言って差しあげない

のですか?

 

ただ違うと 勘違いだと

そう説明すればいいだけでしょう

 

そうすれば一瞬のうちにすべて解決して

お二人微笑みあって今晩を過ごせる

じゃないですか

 

明日戦に行くのですよ

そして今晩仮祝言を挙げようと

されているのでしょう?

 

一体この状況をどうする

つもりなんですか?

と言うと今度は小さな声で

 

まったく分からず屋の頑固は

これだから困る

この性格でどれだけ俺らが

困らされてきたことか

 

とぶつぶつ言っていると

 

前を歩いていたチェ・ヨンが

 

いきなり振り返り胸ぐらを掴み

絞り上げると急に離し

よろけた頭をばしんっと

思いっきり叩いた

 

身構えが足りんぞ

こんなことでは戦いには勝てん

 

そういうと

兵舎に行く前にチャン・ビンに

会うといって典医寺へ向かった

 

 

静かに薬を調合している

チャン・ビン

 

横にはトギが纏わりつき

身振り手振りで

 

あれはまずいでしょ

医仙はテジャンの女人になったんですよ

 

チャン先生も諦めて

医仙と少しは距離を置かないと

 

医仙が来るたびに受け止めていたら

テジャンだっていい気がしませんよ

 

そう言っているのを

 

いつもしているように

チャン・ビンの部屋の扉にもたれかかり

チェ・ヨンが見ていた

 

それに気づき慌てるトギ

 

トクマンとトルベはどこに行った

というチェ・ヨン

 

トギは慌てたのを隠すように

兵舎に戻った

 

と手を振りながら顔をそちらに向け

伝えた

 

 

悪いが少し二人にしてくれぬか

 

チェ・ヨンがトギとチュンソクに言うと

できた薬を持って二人は部屋を後にする

 

チュンソクはまさか二人で決闘でも

する気じゃないだろうな…

 

と心配しながら

テジャンに

 

少し落ち着いてくださいよ

もうすぐ宴なのですからね

 

俺らも早く正装しないと

間に合いませんよ

 

そう言いながらその場を後にした

 

 

チェ・ヨンはチャン・ビンの方を向き

後ろを向いて薬を作り続けるその背中に

 

 

また受け止めさせてしまい

かたじけない

 

 

そう言った

 

背中をびくっとさせ驚いたような

表情でチェ・ヨンを向くチャン・ビン

 

 

何が…と呟くと

 

 

 

俺の妻が迷惑をかけた

 

 

 

それだけ言うと兵舎へと去っていた

 

 

残されたチャン・ビンは

 

薬草園のあの木々の中で一度立ち止まり

ウンスの部屋を見てから

角を曲がって行くチェ・ヨンに目をやり

 

 

俺はあくまでも部外者ということか

 

 

そう言うとまた薬を作り始めた

チャン・ビン

 

調合する道具 薬研を押し引きする

手は震え 

その震える手にぽったと一つの

雫が落ちた

 

 

チェ・ヨンは兵舎の自分の部屋に戻ると

一枚の美しく高価な和紙を取り出し

墨を無心で研ぎ始めた

 

自分の心をひたすら沈めるように

ぎーっぎーっと押し引きする手からは

徐々に余分な力が抜け

音もきゅっきゅっと

軽やかなものに変化していく

 

今まで無表情だったまるで以前の

チェ・ヨンの顔に

 

少しずつ赤みが刺し その頬も緩み

美しい笑みが現れ始めた

 

俺は今晩 仮とは言え 俺がこの世で

一人と思う女人

ウンスと契りを交わし夫婦となる

 

そうだ

夫婦になるのだ

 

ウンスには戦の後と言ってあるから

まだその事を知らない

 

俺の言葉を受け止めてくれるだろうか

 

 

自分で考えてくれ

 

 

そう言ったあの言葉をウンスは

考え受け止めてくれるだろうか

 

 

まさか初めて口付けた日

 

すまぬ

 

の言葉の意味を取り違えたような

ことはするまいな

 

 

王と王妃が俺たちのように笑顔で

手を握り合い宴の場に登場した時

その姿を見たとき

 

ウンスには俺の心が必ず分かるはずだ

 

このために俺は王と王妃の心を

俺たちと同じ心にすべく

動いていたことを

 

そのために念には念を入れて

手を握ることの意味をお二人に

教えていたのだと

 

あのお二人は俺たちにとっても

とても大事な人だろう?

ウンス

 

そのためにどうしても俺たちだけの秘密

手を握り合い心を溶かし合わせる

ということが必要だったことを

 

俺の気持ち

俺がどれほどウンスを想い

ウンスしかいないと想い

ウンスがいなければだめになるほど

ウンスを…

そう 天界語で

愛しているのかを

 

ようやく心を溶かしたお二人を

見ることで必ず

分かってくれるはずだ

 

俺はそう信じている

ウンス

 

俺の言葉で事情を説明したり

簡単に事を済ませようと

許しを請うのは簡単だ

 

だがそれではいつまでたっても

同じことの繰り返し

 

事あるごとに心を荒立てて

いては体が心が持たない

 

 

俺の関知せぬところで

俺の気持ちとは全く関係ないもので

 

そんな事になるのは絶対に許せない

 

天界の人だからと

良からぬ噂なども流されるだろう

 

俺と夫婦になるということは

そういうことなのだ

 

この身分ゆえ外からの悪意ある

声がウンスを痛めつけるだろう

 

そんなことは取るに足りぬことだと

そう思えるよう

どうしても今

ウンスには強い心を得て

いただかなくてはならぬ

 

誰よりも強そうに見えて

実は誰よりも儚く

すぐに壊れてしまうような心を

持つウンス

 

だから

俺が側にいる今こそ

俺が見ていられるところで

何かあればすぐに助けられる今ここで

 

例え何を見ても 何があっても

自分はドンと構えていればいいのだと

いうことを自ら感じ

分かってもらわねば...

 

何としても

 

 

そう思いながら墨を研ぐうちに

祝言を挙げる嬉しさが再び何処かに消え

 

このような気持ちを敢えて

味あわせねばならぬ

自分の罪深き欲を悔い

 

高麗に連れてきて

高麗に留まらせるがゆえに

このような気持ちを

味あわせなければならぬ

ウンスに申し訳なく

 

頭を垂れながら

高麗一の墨ができるよう

心を込め

ひたすら研ぎ続けた

 

 

これから

俺が生まれて初めて書する

この恋文と

母上の忘れ形見

 

それを今夜ウンスに渡そう

俺たちの契りの証として

 

そして今夜

俺たちは晴れて夫婦になるのだ

 

 

先ほど俺の部屋で

 

本当にまずい時以外は

我関せずという態度を貫いてくれ

とウンスは言ったが

まさかそれがこのように早く来ようとは

 

 

お願いだ

 

王と王妃の手を握り合う姿を見て

これまで何をしても交わることの

なかったお二人の気持ちが

一瞬にして結び合う姿を見て

 

俺がイムジャと手を繋ぎ

どれほど温かい気持ちを得られたのか

感じてくれ

 

頑なな俺の気持ち

許せ

 

だが俺はそういう男なのだ

一度決めたら変えられぬのだ

 

ウンス…

 

そういうと墨を置き

 

高麗一の和紙を置き

 

心を込めすらすらと流れる

達筆な文字で

 

永遠の愛を誓う文を書き

 

崔 瑩

 

と記すと

ほっ 一息つき

 

その漆黒な深い目を閉じ

自分の胸に泣きながら

でも笑顔で飛び込んでくる

ウンスの姿を想った

 

 

image

今日の宴で俺はウンスを俺の妻と

するのだ   絶対に…    必ず…

 

 

======御  礼======

物語中 チェ・ヨンとすれ違う際に

ウンスが
誰の心を一番に護りたかったのか
早く思い出して
と心の叫びをチェ・ヨンに投げか
けるシーンがあります
この言葉は前話のコメで
ao2772さんが届けてくれた
想いです
すごく響いたので物語中に
入れさせていただきました

ao2772さん ありがとう♡

======御  礼======  
 
 
 

  にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村

関連記事

 想い シンイ二次

6 Comments

yukiukiyon  

6. Re:無題

>みぃたさん


ヨン、ほんとはチャン先生を問い詰める気
だったんだけど
気づいたらこのシンプルにこの二言になってました
結構私も気に入ってます♪

2016/02/18 (Thu) 22:58 | EDIT | REPLY |   

みぃた  

5. 無題

やっとMytime♪
チャンビン推しの私はどうしてもチャン先生の部分にがっつりいってしまいます。
やっぱり素敵♡
でも、ヨンの
俺の妻が迷惑をかけたのセリフ!
ヨンの強がりというか負けず嫌いが出ててぐっときました。

先生の後のセリフも切なくなりました…(இɷஇ )

NEXT!

2016/02/18 (Thu) 22:46 | EDIT | REPLY |   

yukiukiyon  

4. Re:焦れ焦れ

>ajuさん

あ...ありがとう...(涙)

移動中電車の中、読み返してた
とこでした(>_<)

胸のつかえがおりました♡

今日あと1、2本行くかも

焦れ焦れシーンに
一番自分が焦れ
痺れ切らして

早く結末が知りたくなる症候群再発中

止まらぬ想い

一挙5本アップの時のように(>_<)

しかし今日こそは

寝ますw

2016/02/18 (Thu) 17:08 | EDIT | REPLY |   

aju  

3. 焦れ焦れ

あ~っ!!!わかる!どっちの想いも判る!泣
言葉にしてもらわないと分からない女心
言葉にせずとも分かって貰いたい男心
うー!!この焦れた想いの掛け合いに、色んな意味でキュンってする~!!

侍医の言葉に少し落ち着くウンスの様子の描写も良くわかって頷きながら読んだよ~!

2016/02/18 (Thu) 17:03 | EDIT | REPLY |   

yukiukiyon  

2. Re:むむむ

>ao2772さん

コメありがとうございます♪
そうか~年月…そうですね
ウンスとヨンは始まったばかり!
だった(^_^;)

一応チュンソクが常識派でよかった
ところで
あんなにくっついていたテマンは
どこにいったんだろ?

次なんとまさかのアップ済み

はらはらし始めると塩漬けできない性分で
メチャクチャアップ頻度が上がるのです(T-T)

もう体力勝負w

次も読んでね♪

2016/02/18 (Thu) 15:27 | EDIT | REPLY |   

ao2772  

1. むむむ

ハラハラしますね・・ヨンの深い想いはわかるけど
言わずに気持ちをくみ取って欲しいというのは よほど二人の間に歴史を重ねないと・・・

ウンスは深読みしすぎてあらぬ方向にいかないように・・
女の気持ちは複雑なのよ~ヨン!
でもある意味 ヨンらしいといえばヨンらしいよね(´0ノ`*)

あぁ~チュンソク!よく言った!たぶん今みんなが思っていることだね。グッドジョブγ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞ

2016/02/18 (Thu) 14:28 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment